あたしゃあ、モテ神様だぁよ

            <h2>神が存在するということは不可解であり、神が存在しないということも不可解である。-パスカル</h2>

なにしていた?と聞かれると何もしていないのにドギマギするヤスです、こんばんは。

モテたい。とことん女の子にモテたい。でもおれじゃ無理だ。でもやっぱりモテたい。なんとかしたい。このままの人生で終わるのは・・・、イヤだ! ある晩、寝ようか寝まいかとまどろんでいるときにめちゃくちゃモテたい気持ちが強くなった。いつも思っていた。モテたいと思っていた。このままではダメだということもわかるし、それをどうしようもできない自分に腹さえたっていた。

そして、唐突に「それ」は突然寝ているベッドの横にボウぅっと現れた。

・・・!(な、なに?おばけ?!)

「おばけ?とぉんでもない。あたしゃあ、神様だぁよ。恋愛を司るモテ神様だぁよ」

(わぁ・・・。志村けんのコントみたいのなのが出てきた・・・)

真っ白い、白を通り越して透明に近いスーツを身に着け雰囲気はキチンとしている。髪はオールバック。年齢は70代から80代だろう。顔で性別を判断しようともおじいさんかおばあさんかわからない。おじいさんと言えばそうだし、おばあさんと言えばそう見える。背は低くもなく高くもない。痩せてもいないし太ってもいない。

自らのモテ神様と名乗る目の前のおじいさん(おばあさん?)はこちらの動揺は無視して話しだす。おれの考えていることは口に出さなくてもわかるみたいだ。

「おまえさん、今寝る前に心底モテたいと願ったじゃろ?だからひょっこり来たんじゃよ。

ええ、ええ。言わんでもわかる。あたしゃ神様だからな。

その願いは叶えてあげるさ。わざわざあたしが出てきたんだ。

願いを叶えてもおまえさんに特に悪いことは起こらん。

あたしゃあ悪魔じゃないからのぉ。ヒッヒッヒ。

魂と引き換えに、なあんて無茶なことは言わんて。大サービスじゃ。

なんで自分なんかにこんなことをするのかって?

わかっておるじゃろう。神様ってのは気まぐれなんじゃよ。

ほれ、いくぞ。

『んふぉpしあyhfしおjfんくぁおいぽめぽあふぇおあいえ~~』

あーいあい。これで大丈夫じゃ。おまえさんは今、この瞬間からモテ始める。

何も変わってないじゃと?

そりゃあそうじゃよ。

顔はそのまま。体型もそのまま。 もちろん服だって、髪型だってなーんも変わりはせんわい。

ただのぉ。おまえさんはあたし、モテ神のお墨付きじゃ。 さっきのあたしの祈りで確実にモテるようになったからのぉ。

明日になればわかるさ。おまえさんは間違いなくモテるようになったんだから。

さぁ。今日はぐっすりおやすみ。

明日からめくるめくモテ人生じゃ・・・」

翌朝、目を覚ますと昨晩のモテ神様に会った出来事が現実か夢かわからなくなった。小説とかではありがちだけど、自分が経験すると本当に夢か現かわからない。

顔を洗うために洗面所に行き鏡を見る。

そこに写ったのは!!!

・・・特に昨日と変わらない自分の顔だった。

ただ、雰囲気が変わったように見える。気のせいかもしれないが。

そのままシャワーを浴び、服に着替えようとすると、いつも来ていたはずの服がなぜか気に入らない。気に入らないというか、モテる人ならこんな服は着ないだろうと思ってしまう。せっかくモテるようにしてもらったんなら、服でモテることを妨害するのはもったいないんじゃないか…。

よく見るとおれって毎日こんなダサい服を着ていたっけ。

モテ神様は言ってたよな。モテるようにしたけど、外見や服は変わっていないって。

モテる男なら今の服は絶対にチョイスしないだろう。よし、今日、帰りに服を買おう。何年ぶりだろう、必要最低限じゃなくすすんで服を買うのは。今までは破れたからとか汚くなったって理由だけで服を買っていたのに。 これがモテるようになったということだろうか…。

職場につくと特になにも変わらなかった。変わっていなかった。普段通りに仕事をし適度にサボり、帰宅時刻になる。 帰り際、服を買おうと思っていたので同僚の、これまで仕事の会話しかしなかった女性に声をかけてみた。モテるようになったんだったら、別に話しかけたくらいで嫌われはしないだろう。

「あのさ、新しい服を買おうと思うんだけど、おれみたいなのはどんな服が似合うと思う?」

「…あなたから声をかけてくるなんて珍しいね。」

「いや、おれに話しかけられるのが嫌だったらいいんだ。」

「ふふ、そんなわけないじゃない。ただ珍しいなって思ったから。そうねー、これなんてどう?」

そう言いながら、彼女のスマホをおれのほうに見せてきた。

「ありがとう。その服が売っている店、一度見に行ってみるよ。」

「そう?私もそっちの方面に買い物があるから、途中まで一緒に行こうか。」

「え、悪いよ。おれなんかに付き合ってもらうのは。」

「あははは。途中まで一緒なだけだって。なに?もしなにか飲み物でも買ってくれるなら適当に服を選んだげるよ?」

「適当って。いや、お願いしていいかな。ほんと服のセンスが全然なくて。」

「オーケー。あなたって話しかけづらい雰囲気だったけど、なんていうか今日は違うね。」

「そうかな。神様のおかげかな。」

「なにそれ?!変なのぉ~。」

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と、最初から小説風におおくりしました。もちろんおれの話じゃなくフィクションです。

さて、この男性はモテ神様に本当に会って、呪文をかけてもらったからモテるようになったのでしょうか。

それとも単なる夢で、偶然が重なって女性とデートをすることになったのでしょうか。

人はキッカケさえあれば変わります。

強烈な体験ならこれまでの人生がひっくり返ることもあります。

それは教師や親の一言、友人からのアドバイス。あこがれの人との経験。

あるいは失恋、あるいは別れ。

別々の人にまったく同じ出来事が起こっても、受け取り方により作用は人それぞれで異なります。

ある人にとっては人生を変える出来事でも、 ある人にはまったく響かない。

受け入れる態勢が出来ているかどうか。

あなたが心の奥底から、「変わりたい!」と願ったとき、既にあなたは変わり始めています。

そう。あとはキッカケ。

今回はわかりやすくモテ神様を出しましたが、モテ神様がいようがいまいが、あなたはいつでも変われます。

そしてあなたが変わるとあなたの世界も変わります。

オセロの白と黒がひっくり返るように。

あなたに必要な人も不思議と現れてきます。

弟子の準備が整うて師が現れる

中国の漢文か古い諺です。

もしかしたら普段見る夢を覚えていないように、ただすぐに忘れてしまっているだけで、あなたにもモテ神様は来ているかもしれませんよ?ヒッヒッヒ。

なんか、教祖チックになってしまったヤスでした。